シーシャを吸っている人の中には、紙タバコよりも有害物質が少なくて大丈夫と信じ込んでいる人も少なくありません。インターネットではシーシャを肯定する記事が多く見られ、あたかも健康的なイメージがあります。
しかし、実際にシーシャは有害物質を扱っているので不安になる人もいることでしょう。そこで、シーシャに含まれる有害物質や吸い過ぎへの注意点を解説していきます。
目次
シーシャに含まれる有害物質
シーシャはタバコ葉を使用しています。タバコに含まれる有害物質といえば「ニコチン」「タール」「一酸化炭素」が有名ですね。これらは一般的な知名度でも体に有害であることは認識されているほどです。
名前は知っていてもどのような影響を受けるのかは分からない人もいるでしょうから、軽くおさらいしておきましょう。
・ニコチン…発がん性はないものの、体内で分解・代謝されると発がん性物質に変化してしまいます。ニコチンは興奮作用や鎮静作用、覚醒作用もありますが、血管収縮作用がって依存性も高いのが特徴です。
・タール…タバコのヤニといわれる粒子で、約60種類にも及ぶ発がん性物質が含まれています。
・一酸化炭素…タバコの煙には一酸化炭素が含まれており、血液を運ぶヘモグロビンと結合することで酸欠状態を引き起こしてしまいます。さらに動脈硬化を促進させてしまいます。
タバコには他にもカドミウムやヒ素といった有害物質が含まれているのが分かっています。シーシャはタバコよりも体に優しいというサイトも見かけますが、実際には有害物質を含んでいるものです。
シーシャと紙タバコの違い
シーシャと紙タバコの大きな違いといえばフレーバーを味わっていることです。通常の紙タバコでは味わえないのがフレーバーの存在といえます。フレーバーは刻んだタバコ葉をシロップ漬けにしておき、燃焼した炭によってフレーバーの味わいを含んだ煙を発生させます。
フレーバーには甘さやさっぱりとした味わいがあり、オリジナルのフレーバーをミックスさせるなど数百種類以上の組み合わせを実現可能です。このフレーバーを楽しむのがシーシャであり、タバコを吸うというイメージとはかけ離れています。
また、シーシャは喫煙を提供するお店で吸うことが可能です。紙タバコの場合は改正健康増進法によって施設内で喫煙することは原則禁止されています。
シーシャ屋では年齢確認があるものの、シーシャを吸いながら飲食することができますので、その点でもタバコと大きな違いがあるでしょう。
シーシャは害が少ないって本当?
インターネットなどではシーシャは害が少ないとうたっているサイトをよく見かけます。シーシャ初心者の人ほどどのサイトを信用していいのか分からないものです。シーシャの害が少ないという理由をみていきましょう。
タバコ葉を洗って水にくぐらせる
シーシャはニコチンやタールの成分が少ないといわれています。まずシーシャに使用されるフレーバーはシロップ漬けにする前にタバコ葉を洗って使用します。タバコ葉をそのまま使用するとダークリーフといってガツンとしたキック感を楽しめますが、通常よりも数倍以上のニコチンを含んでいます。
また、シーシャは水タバコというように、ボトル内に水を入れておき、ステムを通って煙がボトル内に蔓延し、ホースで吸い上げることで肺に入ります。このボトル内の水に煙をくぐらせているので、ニコチンやタールは紙タバコよりも少なくなるのです。
シーシャの煙は肺に入れてため込まずに吐き出します。肺で溜めてしまうとシーシャの風味が損なわれてしまいますので、口を開けてゆったりと吐き出します。
紙タバコの場合は口の中に煙を入れてから肺に空気と一緒に送り込み、ここからゆっくりと吐き出していくものです。シーシャは肺に煙を溜めないので、紙タバコよりかは有害物質が滞留する時間は少ないといえるでしょう。
受動喫煙につながる
シーシャは紙タバコほどではないにしろ、吐き出す煙にはニコチンやタールといった副流煙が発生します。受動喫煙につながるので周囲への配慮が必要です。とはいえ、シーシャ屋は基本的に喫煙を目的とした施設ですので、それほど周囲に気を配る必要はないといえます。
また、シーシャは紙タバコのように外出先で気軽に吸えるようなものではありません。炭を扱うので車の中で吸う人はまずいないでしょう。そうなると自宅シーシャでの受動喫煙に注意がいります。
店舗が遠方にしかない場合など、自宅でシーシャを楽しみたい人も多いでしょうから、子どもや妊婦がいる家庭は気を付けなければなりません。特に妊婦が副流煙を吸ってしまうと、一酸化炭素が赤ちゃんに影響を与えてしまう恐れがあります。
自宅シーシャをする場合は妊婦や小さな子どもに注意を払うようにしましょう。
シーシャで有害物質を抑えるには
そうはいってもシーシャを楽しみたい人も多いでしょう。シーシャ屋や自宅シーシャでゆっくり味わいたい人が有害物質を抑えるにはどうしたらいいでしょうか。
長時間吸わない
まずはシーシャを長時間吸わないことです。煙を水にくぐらせるとはいえ、ニコチンやタールを含んでいますから徐々に有害物質が体内に入り込んでしまいます。もともとシーシャは時間をかけて吸いますので、1時間はシーシャで楽しんでいるものでしょう。
フレーバーの味わいを変化してみてり、DVDやマンガを読みながらキリのいいところまでシーシャを楽しみたいという人は長時間吸い続けてしまいます。
シーシャを吸うときは長時間吸い過ぎないように気を付けましょう。
適度に休憩
シーシャを吸うときは適度に休憩を取るようにします。店舗の場合はソフトドリンクや軽食で休憩し、自宅シーシャの場合は換気をしながらシーシャを一休みする環境を作るようにしましょう。シーシャを吸い続けるには適度に休憩を挟むことが大切です。
特にシーシャ屋では常に換気に気を付けているものですが、自宅シーシャでは換気をしないと煙が充満して一酸化炭素中毒に陥る危険性があります。
アルコールは控える
シーシャはタバコの一種ですので、人によってはアルコールとの相性が抜群といえます。しかし、アルコールは血管を拡張させて血流を速めてしまいます。それだけに、シーシャに含まれる一酸化炭素などの有害物質を体内に素早く吸収してしまう恐れがあるのです。
シーシャを吸うときはアルコールを控えるようにしておき、同時摂取はなるべくやめておきましょう。たとえば、お酒は別の機会にしておき、シーシャ屋ではノンアルコールのビールやカクテルを飲むようにして、自分で工夫してみるのも大切です。
また、お酒の飲み過ぎにも注意しましょう。シーシャを吸いながら酔ってしまうとヤニクラが起きやすくなり、頭痛や嫌悪感といった体調不良だけでなく、シーシャ本体を倒して火傷をしてしまう恐れもあります。
紙タバコの本数を抑える
シーシャの合間に紙タバコを吸う人はあまりいないと思われますが、普段の実生活では使い分けている人も少なくありません。受動喫煙防止でタバコを吸う場所は限られていますが、会社の喫煙場所や車の中など、日中もタバコがやめられない人も多いものでしょう。
シーシャは移動しながら吸うことができないため、お店や自宅といったプライベートの時間にしか楽しめませんが、普段からタバコをよく吸う人ほどニコチンやタールを摂取していますので、シーシャで健康面が気になる場合は紙タバコの本数を抑えるなど工夫しておきましょう。
ニコチンフリーの製品を使用
シーシャの有害物質が気になる場合、ニコチンフリーのフレーバーを使用することをおすすめします。タバコ葉を使用していませんので、燃焼しても有害物質を発生させません。味わいや風味がなくなるという懸念もあるでしょうが、ニコチンフリーのフレーバーは数も多くあり、ミックスさせることで味わいに変化を付けることも可能です。シーシャを楽しみながらニコチンを抑えられます。
また、ニコチンフリーには電子シーシャもおすすめです。電子シーシャはポケットシーシャ、ミニシーシャ、持ち運びシーシャなどの呼び方があるものの、すべて電子タバコと同じ部類に入ります。同じような携帯タイプに加熱式タバコがあります。
電子タバコはリキッドを加熱して水蒸気を発生させます。日本ではリキッドにニコチンを入れて販売するのは禁止されており、厚労省の認可が必要となるのです。実際に認可されたものはありませんので、今後も規制は続くことが予想されています。
電子シーシャの最大のメリットは受動喫煙に当たらないので、どこでも使用できる点です。外出先でも気兼ねなく吸うことができますが、周囲には水蒸気とタバコの煙の区別が付かないのでトラブルにならないように気を付けましょう。
まとめ
シーシャには「ニコチン」「タール」「一酸化炭素」といった有害物質が含まれています。煙を水にくぐらせることによって有害物質を抑えてはいますが、体内に入るのはゼロにすることはできません。
有害物質を抑えるには長時間の吸い過ぎやアルコールの同時摂取を控え、適度な休憩を取るようにしましょう。また、ニコチンフリーのフレーバーや外出時には電子シーシャを活用するなど、普段からニコチンやタールを抑えるように心がけることが大切です。