人気のシーシャ(水タバコ)ですが、いつから普及しているのか興味を持っている人もいることでしょう。紙タバコや葉巻の歴史は古く、大航海時代には新大陸からヨーロッパに広まったとされています。
そして、意外にもシーシャも同時期に発症しており、この歴史をしればよりシーシャを楽しめるものといえます。
そこで、シーシャの発祥や文化、発展について解説していきます。
目次
シーシャの発祥
シーシャの発祥からまずはみていきましょう。
ペルシャからインドへ
シーシャの歴史といえば、中東やアジアがよく挙げられており、エジプトやトルコ、イラン、インドなど様々です。
ただ、シーシャの発祥はペルシャといわれています。現在のイランにあたり、当時は器具もないのでココナッツの殻など自然に手に入るモノで代用していたようです。
ここからインドへと伝わって改良が進み、オスマン帝国ではシーシャの文化が根付いてオシャレなデザイン性のシーシャが登場することになります。
各地域のシーシャ文化
インドは16世紀のムガル帝国時代にシーシャが発展していき、医療目的でも使用されていたと伝えられています。元はタバコのほうが早く伝わり、そこからのシーシャが作られていきました。
ムガル帝国は後にインド帝国の独立につながり、インド・パキスタンとしてシーシャの文化が両国に根付いていきます。外交的に何かと衝突する両国ですが、シーシャは互いに根付いた文化といえるでしょうね。
ちなみにインドではシーシャとよばずに「フーカー」と言われています。
ペルシア地方では、サファヴィー朝の時代にシーシャが開発されたとしており、王侯貴族や権力者たちの間で愛用されています。喫煙用の嗜好品としてよりかは、社交界のたしなみや有識者たちの討論の場にも愛用されていきます。
当時中東の支配力を強めていたオスマン帝国では、中心都市であるイスタンブールにおいて多数のシーシャカフェに近いお店が広がり、市民の生活の一部として浸透していくことになります。
トルコの近隣にあるエジプトでもシーシャは盛んとなり、ナイル川沿いにはシーシャカフェが並んで大衆にも受ける嗜好品となっていったといわれています。エジプトで生まれたシーシャは独特のデザインを誇り、きめ細かな装飾がポイントです。シーシャがオシャレというのもエジプト式のデザインが影響を与えています。
欧米でも受け入れられていくシーシャ
タバコはコロンブスによって新大陸からスペインに持ち込まれ、ヨーロッパ中に伝わっていったといわれています。シーシャの場合は列強がアフリカやアジアに進出し、移民を通じて欧米に伝わっています。
異文化として交流の場にはシーシャのようなオシャレで華のある嗜好品は最適であり、たちまち人気を博して西洋文化に根付いていくようになります。喫煙器具だったシーシャもデザイン性に注目されるようになり、フレーバーの味わいが追加されていき、シーシャは様々な層にも楽しみが広がっていくようになりました。
特にアメリカでは若い世代に人気となり、大学キャンパスの近くでは会話も同時に楽しめるコミュニケーションツールとして広まっていくようになっています。
歴史が浅い日本でも人気のツールになっていく
2000年代から普及し始めた日本ではまだまだ認識も浅く、見たことがあっても吸った人は少ないのが現状といえます。歴史が浅いからともいえますが、それでもシーシャカフェやシーシャバーは都市部を中心に着実と増えており、ECサイトの充実もあって気軽にシーシャを楽しめるようになっています。
シーシャを楽しめる店舗では日本独特のキャンペーンやコラボも実施しており、wi-fiも充実して漫画やDVD、テレビなどを提供するサービスも人気となっています。
国際的な広がりを見せるシーシャ
シーシャは欧米で人気を博すようになると、グローバルな広がりを見せて日常生活にも浸透していき、家族や友人が集まるとシーシャを囲んで交流にふけるようになっていきます。
娯楽の少ない時代において、市民同士の社交の場としても活躍し、会話のお供にシーシャが愛用されていったとされています。
中東やアジアの一部の地域では、いまだにこのような文化が根付いており、紙タバコよりも愛用されているのがうかがえるでしょう。音楽やダンスなどとともに、シーシャカフェでは
市民の憩いとして楽しまれ、一種のエンターテイメントへと進化しています。
欧米では中東や北アフリカの文化を楽しめる場としても人気があり、異国情緒をたしなむカフェが年々増加していくようになっていきます。
フレーバーも多様化
また、フレーバーの多様化も進み、フルーツやミント系以外にもハーブやスイーツといった種類も増え、タバコ葉を楽しむのではなく、味わいや香りに触れるオシャレなイメージが付くようになっていきました。
タバコが苦手な人のために、ノンニコチンのフレーバーも登場し、年々減少する喫煙者の中でもシーシャは人気の嗜好品として日本でも利用者が増えています。しかも、今日ではSNS映えという言葉もあるほど、シーシャはお店や自宅でも人気があります。
さらに、遠方でシーシャカフェに通えない人でも、オンラインで気軽に購入することが可能です。シーシャは身近な文化として、現代でも受け入れられていくようになるでしょう。
観光でも人気の高いシーシャですので、中東や北アフリカでは観光客がシーシャを楽しむのが一般的になっています。
日本と異なるマナーを知る
日本でも流行を見せているシーシャですが、基本的に異国文化となりますので、地域独自のルールやマナーがあるものです。出張や観光で訪れる場合には注意が必要といえます。
中東ではシーシャを右手に持って楽しみます。これは宗教的な意味合いを持っており、食事も含めて右手が優先されるからです。
旅行者が多い昨今では、それほど外国人に対して気にしない現地の人もいるでしょうが、思わぬトラブルを避けるためにも右手でシーシャを吸うようにしてください。
また、煙を人に吹きかけるのもよくありません。日本では会話の流れやノリで、相手の顔に煙を吹きかけることがよく見られます。しかし、NGとされている文化もありますので、たとえ友達同士であっても外出先でむやみにシーシャの煙を吹きかけないように注意しましょう。
健康問題と規制もある
シーシャは煙を水にくぐらせるため、一般的な紙タバコよりも健康被害が少ないと認識されがちです。しかし、ニコチンやタール、一酸化炭素といった人体に悪影響を及ぼす物質がある以上、無害という訳にもいきません。
長時間にも及ぶ喫煙時間になりますから、人によっては紙タバコよりも影響が大きい場合があるほどです。それだけに欧米でも健康リスクの懸念が高まっているのが実情といえます。
健康リスクを受けて、日本では紙タバコやアルコールと同様に、20歳未満の喫煙は法律で禁じられています。そして、ほとんどの国ではシーシャの喫煙に規制が設けられており、年齢制限を敷いていることが多々見られます。
多くの国や地域でシーシャの健康リスクを問題視しているので、出張や旅行でシーシャにまつわる年齢制限などの規制は事前に確認するようにしましょう。
さまざまな種類が登場するシーシャ
シーシャはどんどん進化しているものです。豊富なフレーバーの種類に加え、これらをミックスしてオリジナルの味わいを演出するお店も多く、日本ではアルコールと一緒に楽しめるお店も増えています。
シーシャカフェやバーは喫煙を提供する施設ですので、アルコールやフードを嗜みながらシーシャを吸うことが可能です。基本は温かい煙を吸い上げますが、アイスホースを使用することで冷たい煙に変わり、いつもと違う味わいを楽しめるようになります。
ノンニコチンのフレーバーも人気が高く、タバコ葉ではなく、水蒸気を吸い上げるポケットシーシャも登場しています。
これは、持ち運び可能で、原則としてどこでもシーシャを吸えるのが魅力です。もちろん、水蒸気とはいえ、煙のように見えなくもないので、駅構内や人が集まる場所での喫煙は思わぬ誤解を生みそうでしょう。
まとめ
シーシャの発祥は諸説さまざまですが、大筋ではペルシャ地方やインド、北アフリカあたりが起源とされています。
歴史背景とともに各地域に伝わり、中東やアジアの異国文化として欧米でも人気を博し、今日に至るまで多くのシーシャカフェやバーで楽しまれています。
紙タバコの喫煙者が激減していく中、シーシャ愛好家がますます増えており、SNS映えすることもあって今後もシーシャ利用者は増えていくでしょう。